一般的にシニア層と言われる50代や60代の層は、土地のある戸建て志向だと思われますが、必ずしもそうではありません。理由としは、都心では土地付きの一戸建てが高いということや、駅まで歩ける立地に希望条件の物件が無いということもありますが、別の理由として高齢になったとき、マンション生活の方が楽だという考え方もあります。
生活が楽というのは、駅まで歩いて行ける距離だったり、買い物が近くで出来るということが挙げられます。さらに庭の草木の管理が苦手な人にとってはマンション生活の方が楽だと言えます。そこで最近、シニア層によるマンション購入の意識調査が行われましたので、すこし参考にしたいと思います。
2015年12月に、読売広告社都市生活研究所が「シニアの新築マンション購入理由調査」を行い発表しました。調査対象はマンション購入時の年齢が50歳以上の男女で、2011年1月から2015年10月、並びに2001年から2005年に新築分譲マンションを契約した人です。
・購入エリアは東京、神奈川
・調査期間は2015年10月30日から2015年11月6日
・調査方法はインターネット
・有効回答数は397件
調査結果では、「新規購入」層が27.2%、「買い替え」層が42.1%、「買い増し」層が29.5%となっています。
購入理由では、
「日常の買い物に便利」が35.9%
「通勤・通学に便利」が28.2%
この2つが上位を占めましたが、「買い増し」層が重視した点が「駅から近いこと」が59.0%に上ったことを見ても、マンション購入に対する需要が堅調であることが分かります。また、「買い増し」層について「資産性を気にする」が8割に達しました。
内訳をみると、
「賃貸に出しても高い利回りが期待できる」が44.4%
「周辺相場より高値で売却できること」が32.5%
「地域に将来性があること」が25.6%
と、なりました。
その他に、仕事を通じて個人的に購入希望者から直接聞いた理由として、「防犯面など管理が楽だ」という声が、けっこうありました。もちろん戸建てでも問題ない物件もありますが、一般的な一軒家というは、簡単に塀を乗り越えて1階に侵入することが出来ます。しかし分譲マンションは、そういった面では戸建てよりも優位にあります。
さらに高齢になると、広い一軒家は庭木の手入れや広い室内の掃除が苦になるという人もいました。また、近年では少子化で一世帯あたりの家族数も昔のように4人とか5人家族も少数派となりましたから、居住するのに広いスペースは必要ないということにもなります。
ただ、一軒家とマンションの比較というのは、もう好みというか、その人のステータスによるところが大きいので、単純な比較は出来ないと思います。今回は、一般的に言われている「老後は郊外や田舎でゆっくり一軒家で暮らしたい」という人ばかりではないということを紹介しました。
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