大手家電量販店がなぜ、住宅・不動産事業で上手くいっていないのか?こころあたりがあるので、知っている事の半分程度を説明したいと思います。
家電安売り「ヤマダ電機」とマッチングしないエスバイエル
そもそも、家電販売事業による売り上げの頭打ちから、エスバイエルを子会社化して、住宅・不動産・リフォーム事業に本格的に進出したのですが、このハウスメーカーは、安く建てられるというよりも、中クラス仕様ですから、安売りのヤマダ電機とは、マッチングしていなかったと思います。
また、不動産部もありましたが、元々ハウスメーカー(注文住宅)ですから、組織内では注文住宅部門の意見が強く、不動産部門はかやの外だったのです。当然、エスバイエルが仕入れた分譲用の土地というのは、難しいものが多いようでした。
事業部のトップは実務経験なし
やっぱり家電量販店ですから、事業部のトップも同じです。指揮・命令は注文住宅・不動産については実務経験のないシロウトだったのです。例えば、建売分譲を行う場合、敷地に接道する道路付けは、南向きが理想ですが、これが西向きであっても東向きであっても、大した問題ではありませんが、これが南向きでないと仕入もしないというものだったようです。こんな風に土地を選別していては、事業の拡大などとても無理でしょう。
特色のないヤマダ・エスバイエルホーム
例えば、大手ハウスメーカーですと、三井、住友、旭化成などがありますが、建築坪単価も80万円前後します。いわゆる高級仕様に入ります。
これに対して、タマホームなどは、安く建築するハウスメーカーとして有名でして、建築坪単価は50万円ぐらいです。
つまり、ヤマダ・エスバイエルホームは高級仕様でもなく、格安で建築できるわけでもないため、特色が無いと言われています。
家電量販店とマッチングするリフォーム事業
住宅・不動産事業行うには、非常に難しい家電量販店ですが、リフォーム事業だけは何とかマッチングします。例えば販売店舗内には、レンジやキッチン、ウォシュレットからトイレの便器などが展示されていますが、これらの商品は家電と結びついていますので、合わせて購入する人も多いのです。
結局、新戦略として参入した住宅・不動産事業でしたが、同業界の人から見たら、とても出来ないだろうと聞きましたし、現実的に難しい組織構成と実務経験・見識の無さが災いしたと思われます。
これを教訓として、異業種から住宅・不動産事業に参入する場合には、単に机上の勉強だけではなく、有能な実務経験者をトップに据えたり、その周辺の人選にも分かち合える人が必要だと思います。
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