思いついたことを伝えたいブログ

2019/02/02

明石市長の道路拡幅用地買収指示「火を付けろ」と叱責したら立ち退き交渉まとまる

道路拡幅のための用地買収業務について、兵庫県の泉房穂・明石市長の行き過ぎた叱責が注目されています。泉市長は2017年6月、用地買収の担当幹部に対して「建物に火を付けて捕まってこい。損害賠償は個人で負え」などと指示したそうです。


なかなか強権的な物言いの市長ですが、行政のトップがこんな指示を出すことに驚きました。民間の不動産会社ならあるかも知れませんね。でも、いつもこんなふうに怒鳴られたら心身に支障をしたして人間が壊れてしまいそうですね。


その問題となっている場所とは、JR明石駅の南側にある道路です。





この拡幅工事は2010年から対策が進められてきましたが、市長からの叱責・暴言があった2017年6月までは、立ち退き交渉が進んでいなかったようです。それに不満を持った市長が、当該場所で死亡事故が起きているにもかかわらず、立ち退き交渉が進んでいないことに、腹を立てて叱責したのでしょう。


ところが、この暴言の後、7年間動かなかった立ち退き交渉が2017年末には実現したというのです。そして現在は工事が着々と進められて、2020年には完了するそうです。報道によると、立ち退き補償について一部金額を提示していなかったそうですから、仕事のやり方に対して強い不満を持ったと思われます。


GoogleMapで見ると、すでに立ち退きが完了されているのが確認できます。




行政と民間の違い


道路用地買収は全国いたるところで行われており、現在も手つかず状態の場所がたくさんあります。もし、民間企業が用地買収を行う場合、資金的に限りがありますから迅速に交渉を進めなければ事業が成り立ちません。長引けば長引くほど経営に圧迫します。さらに担当者の責任にも関わってきます。


ところが行政の場合、資金的な心配はほとんど無く、担当者がうまく出来なくても、さほど責任を取らされることはありません。つまり、じっくりと業務に取り掛かれるのです。但し、道路拡幅事業については、予算が必要ですから、自治体に予算が無ければできません。


一番悪いのは誰?


市長の行き過ぎた叱責については、行政に携わる人としての資質は感じられません。立ち退きを渋る地権者・テナントに火を付けたい気持ちは分かりますが、この話をするなら酒の席とか、冗談交じりで話すにとどめておくべきでしょう。


市の担当者については7年間、いったいどんな交渉をして、どんな報告をしていたのか分かりませんが、市長から叱責された後、立ち退き交渉がその年にまとまったことを考えると、さほど真剣に取り組んでいたとは考えにくいと思われます。


立ち退きを渋っていた地権者・テナントが、簡単に立ち退いてもらえればいいのですが、立ち退くことによる補償が必要となります。合理的な金額提示と、道路拡幅の意義を根気強く説明するしかありません。


さらに問題なのは、市長の叱責が録音されたテープが、なぜ今頃出てきたのでしょうか。そして、なぜ録音したのでしょうか。


これは、市職員が日頃から、市長の叱責や暴言に悩まされ続け、万一のときのために録音したのだと思います。民間企業で働いている人でも、ついそんな気持ちになることがあります。


録音テープが今頃出てきたというのは、一部の報道では選挙がらみではないかと言われています。確かにそう考えることも出来ますが、もう一つの理由としては、録音された2017年6月以降も度々、市長から叱責されていた可能性があります。そしてついに我慢できなくなった市職員は、録音テープの公開に踏み切ったのかもしれません。


いずれにしても、部下がここまでしなければならない理由を考える必要があります。察するに、相当、精神的に追い詰められていたのでしょう。


もし本当に建物に火を付けたら


余談ですが、建物に火を付ける行為は犯罪でダメですが、もし市役所の担当者が純朴で実直な性格で、「上司からの指示・命令は絶対だ」という信念を持っていたとしたらどうでしょう。担当者は精神的に追い詰められていたと推測されますから、もしかしたら本当に火を付けていたかもしれませんね。


担当者が放火容疑で警察に逮捕されれば「市長に指示されてやりました」と正直に言うでしょう。その場合、市長は強要罪で逮捕されてしまうでしょう。


とにかく、立ち退きが絡む用地買収、開発行為は不動産取引の中でも難易度が高い仕事ですから、組織内でコミュニケーションをしっかり取りながら進めないと、取り返しがつかなくなるのです。



0 件のコメント:

コメントを投稿

スポンサーリンク