思いついたことを伝えたいブログ

2019/06/20

大阪府・守口市長の宅建業法違反問題、宅建士の名義貸しは地場不動産屋で起こり易い


大阪府守口市の西端勝樹市長が取締役を務める不動産会社が、宅地建物取引業法に違反して営業していた疑いがあるそうです。西端市長も法律に違反していたことを一部認めていて、大阪府は行政処分を検討しています。


違反の内容というは、会社設立当初から去年まで約15年間にわたり、宅建士を常勤させておらず、契約の際に行う「重要事項説明」を宅建士ではない西端市長本人が複数回、行っていたというものです。






宅地建物取引業法では重要事項説明は宅建士しかできないと定められており、取引の当事者に対して、宅地建物取引士が取引証を提示して、契約が成立するまでに、重要事項説明を行わなければならないのです。(宅建業法第35条)


こんなことは不動産業界では当たり前のことで、「今さら何を言っているんだろう?」と思う人は多いはずです。ところが、地場の零細不動産屋では、意外とこの事が守られていないのです。実は、私も地場の不動産屋と言われるような零細企業への転職をしたときに経験があるのです。それは専任の宅建士の名義貸しでした。


専任の宅建士が出社してこない?

不動産会社では、事務所内の見やすい場所に宅地建物業者として「標識」を掲げることが義務付けられています。(宅建業法第50条第1項)記載されている内容は以下の6項目です。


【宅建業者の標識の内容】
・免許番号
・免許有効期間
・法人の称号又は名称
・代表者氏名
・この事務所に置かれている専任の宅地建物取引士の名前
・主たる事務所の所在地


それは、入社日当日から起こりました。事務所の壁に掲げられた標識の「専任の宅建士」がその日の業務が終わりに近づいても現れないのです。もしかしたら病気で休みなんだろうかと思いました。しかし、次の日も出社してこないのです。


社員に聞くと、その人はめったに出てこないんだとか。


総務・経理の人に聞いてみると、その人はかなりの高齢で70歳を超えているとか。


社員に聞いてみました。「じゃあ、重要事項説明は誰がやるのですか」


社員が答えました。「社長がやっている」


「社長は宅建士の資格は持っているのですか」と聞くと、社員は「持っていない」と答えました。


「それはマズイでしょ?明らかに宅建業法違反ですよ?」と社員に言うと、社員は「社長は協会の理事をやっているから大丈夫ですよ」と自信たっぷりに言いました。


いやいや、全く分かっていない・・・。


地場の不動産屋に多い宅建士の名義貸し

人材がなかなか確保できないような地場の零細不動産屋では、当たり前のように宅建士の名義貸しが行われているようです。理由は人件費の問題が大きいのです。ちなみに名義貸し代は月に2万円から3万円が相場です。


では、不動産の売買契約(重要事項説明)を宅建士でない者が行うときに、なぜ買主は疑問に思わないのでしょうか。なぜクレームを言わないのでしょうか。その答えについては、守口市長の西端氏が言っています。


取り引きがスムーズにいくようにしようと思ったら、(重要事項説明を)家内がしたり私がする時もあった」(守口市 西端勝樹市長)


つまり、取引仲間のような信頼関係があるところでは、面倒な重要事項の説明を一部、省略したりすることは良くあることなんです。買主・借主も、その事について、いちいちクレームを言っていたら、契約が長引いて終わりません。分かっていても目をつぶるのです。


但し、中堅や大手不動産会社では、コンプライアンスの問題がありますから、名義貸しは行われません。そもそも、給料が良いですから、宅建士の資格を持っている人も集まり易いのです。


今回の問題は、業者側の法令の認識不足ですが、零細不動産会社であっても、しっかりと宅建士を雇用していくために、現在の仲介手数料について改革が必要かもしれません。



0 件のコメント:

コメントを投稿

スポンサーリンク