さらに、倒壊によって近隣の民家に被害をもたらしたことで、補償問題が噴出しています。家屋は万一の災害に備えて火災保険に加入するのが一般的ですが、天災による家屋の被害はどうなっているのでしょうか。
火災保険の補償内容「隣の人に賠償責任なし」
一般的な火災保険では、火災・落雷・爆発・風災・雪災・水災などによる被害が補償されます。詳しくは加入されている損害保険会社(代理店)に確認して下さい。
ここで注意すべきことがあります。
例えば、隣の家が火事になり、自分の家まで燃え移ってしまった場合、隣の人に賠償してもらうことが可能ではないか、と思われますが、これは隣の人(火元)が故意、または重過失でない限り、賠償責任はありません。
つまり、自分の家を守るためには、自分で火災保険に入っておくことが必要なわけです。
それでは、今回の倒壊したゴルフ練習場についてはどうなるのでしょうか。
壊れてしまった自分の家は、自分が加入している火災保険で補償してもらうことになります。ただし、直撃されて被害を受けた家屋は、ゴルフ練習場の経営者に対して何らかの損害賠償を請求できる可能性があります。
その理由としては、台風が上陸する前に、ゴルフ練習場のネットを降ろしておけば、台風が直撃しても倒壊しなかった可能性があるとも言われているからです。
このあたりの問題については、今後の裁判などで明らかになっていくでしょう。
そして、もしゴルフ練習場の経営者が多額の損害を賠償することになり、支払うことが出来ないと、賠償費用に充てるためにゴルフ練習場を売却することも考えられます。
その場合、ゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の不動産価格はいくらぐらいするのでしょうか。
それでは、さっそく評価をザックリと計算してみます。
「市原ゴルフガーデン」売却時の土地評価概略
土地面積は、GoogleMapで計算すると、11,820㎡(3,575坪)となりました。
土地価格は、前面道路の平成31年度路線価によると、5万4千円/㎡ですから坪17万8千円です。ただし、実勢相場は路線価より高いのが一般的ですから、地域特性を考慮して1.3倍にします。
17万8千円 × 1.3 = 23万円
3,575坪 × 23万円 ≒ 8億2千万円
実務取引では、この8億2千万円から建物の解体費用を減額したり、変形地補正をしたりしますから、もっと安くなるでしょう。また、この場所は都市計画法上の用度地域は第一種住居地域ですから、建売業者に売却する手もあります。その場合は開発道路面積を引いた残りの有効面積で計算しますから、かなり安くなってしまいます。
例えば、復員6メートルの開発道路面積が全体の敷地の20%あれば、有効宅地面積は、
3,575坪 × 0.8 = 2,860坪
土地有効面積の販売価格
2860坪 × 23万円 = 6億5,780万円 (業者の総売り上げ)
6億5780万円 × 0.7 = 4億6千万円 (業者の買取価格)
以上の計算から、売却価格は4億円の半ばから7億円程度になるでしょう。売却する場合は少しでも高く買ってくれるところを探すことです。
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